江崎道朗のネットブリーフィングにて、オフショアバラ

江崎道朗のネットブリーフィングにて、オフショアバランシングについて触れられていました。そもそもオフショアバランシングとは何ぞや?という方のために武内先生の過去の論文紹介を紹介しつつ解説したいと思います。
オフショアバランシングの概ねの理解については江崎先生が解説されている通りで、アメリカの遠方で起きている戦争に参戦することに慎重な姿勢を取る大戦略のことを指します(あくまで慎重な姿勢をとるのであって、限定的な介入は時として必要と考えられている)。人権や民主制などの普遍的価値官に基づいて動くわけではなく、とりわけww2以降のアメリカの大戦略に相反するものであると考えてください。また、なるべく干渉しないため、国民の軍事上の負担が軽減され、これまでは軍隊の積極的運用により、防衛支出が増加し、増税などで消費が縮小してしまうという問題点がありましたが、オフショアバランシングの大戦略により、これらは解消されると考えられています。

また、米国の大戦略論争において2つの学派が形成されていると考えられています。ディープ・エンゲージメントとオフショア・バランシングです。
ディープ・エンゲージメントは、米国の繁栄を可能にする自由主義的な経済秩序を構築し、これらを維持することを構想しています。
オフショア・バランシングは先述した通りで、海外に部隊を置く費用がかなり大きいとし、また、同盟国を独力で対処できるようにして、米国が不必要な戦争に巻き込まれるのを回避するという構想をしています。
しかし、ディープ・エンゲージメントは、中国の台頭を軽視し、米国一極体制が崩れることはないだろうと考えている点には気をつけなければなりません。どちらにせよ、トランプは反TPPなどの姿勢により、ディープ・エンゲージメントではなく、オフショア・バランシング的な大戦略を抱いていることは確かであり、江崎先生の指摘は鋭いと思います。

オフショア・バランシングとは?
militarywardiplomacy.blogspot.com/2016..

オフショア・バランシングvsディープ・エンゲージメント
militarywardiplomacy.blogspot.com/2017..

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